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サンタさんは本当にいるんだよ

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10年ほど前、大学を卒業し、社会人として上京した最初の年。
知らない土地で周囲に気を許せる様な人もおらず、慣れない仕事に四苦八苦していた。
年末も仕事がぎっしり入っており連日残業、折角のクリスマスも職場を出たのは23時頃。
帰りにコンビニで買い物して外に出ると、雪まで降る始末。
いつまでも仕事で成果を上げられず、毎日目の前の業務に忙殺されて、愚痴も相談も聞いてくれる人も見つけられず、
世間は浮かれている中自分は遅くまで残業して、さぁ帰ろうかと言う時に雪まで降って、
寒いやら惨めやら情けないやらで、建物の横の暗がりでしゃがみこんでしまった。

どれ位そうしていたか、突然眩しい光に照らされて思わず顔を上げた。
どうやらバイクが入ってきた様だが、よくよく見ると乗ってる人はサンタの格好をしている。
呆気にとられてついまじまじと見言っていると、それに気付いたかバイク乗りの方は
「メリ~クリスマ~ス」
とにこやかに声をかけてくる。以前呆然として声も出ない私。
「…おや、元気ないね。ちょっと待ってて」
バイク乗りの方はコンビニに入ったと思ったらすぐに出てきて、
「コーヒーとお茶、どっちがいい?あぁ、クリスマスプレゼントだから受け取って。しょぼいけど」
つられてお茶を頂いて一口飲んだ。じんわりと暖かかった。
「いや~クリスマスがなんだってんだよねえ」
「俺、予定もやる事も何もないもんだからさ、ついついこんなカッコでうろついてたんだ」
「そしたら街中での人気っぷりったら。プライベートはからっきしなのにね~」

と明るい調子で話し始めた。彼の自虐を交えたジョークなんかもあり、ついつい噴き出してしまった。
そんな感じで暫く立ち話をした後、彼はヘルメットに付けていたサンタ帽をはがして、
「ゴミになる様だったら捨ててくれていいよ、手間かけて悪いけど。」
と私に被せて、
「お詫びと言っては何だけど、貴方が泣いていた理由を俺が持って行ってあげるよ、なんつってね」
と最後まで調子の良い感じで、バイクで走り去って行った。帽子の中にはチロルチョコが2個入っていた。


それから、本当は帰郷する予定もなかったけど何とか電車を手配して年末年始は実家で過ごし、また頑張ろうと心機一転、戻ってきた。
あの人の乗っていたバイクを知りたくて調べている内に、段々と話せる人も増えていき、仕事も何とか回せつようになり。
なんだかんだで今では夫と2人の子供と平和に暮らせている。

子供にはサンタさんは本当にいるんだよ、会った事あるよと話している。
真赤なバイクに乗ったサンタさんに出会えたお陰で、今のこの幸せがあるんだと思う。

               

     

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